映像放送クラスの山本浩代さんの制作を卒展広報委員の妹尾と西木が取材しました。
山本さんは二つの映像を向かい合わせてのインスタレーションを制作されています。

タイトル:背中合わせ
 
 


1回目 12月20日(木) 「すれ違う二人」

── 最初の取材は映像放送クラスの合評の日でしたので、山本さんが先生方に制作状況を説明した後に試写会を行い、評価やアドバイスを受けている様子を撮影しながら話を聴かせていただきました。

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── 説明後に設営済みのスタジオに移動して試写会を行います。

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── 向かい合う二つの壁に二人の女性の背中が映し出され、それぞれの台詞が音声で流れるようになっています。

── 女性達はお互いに好意を持っているのですが、一人はもっと曝け出したい・解り合いたいと思っていて、もう一方はそれに対して億劫になっているという設定です。

── この時点では二人とも全身は映っておらず、服を着ています。

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── このような場に立ち入ることで二人の関係性や物語を想像してもらい、価値観や感情の多様性・ズレを感じ、楽しんでほしいと話されていました。
そしてそれがこの作品のコンセプトだそうです。

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── 先生方の意見は…

  • 二人の見た目にもっと差をつけて違いを明確にしてほしい
  • 人物は下着姿か裸で全身を写した方が良いと思う
  • 背景を黒にしたら人物がもっと浮かび上がり臨場感が増す
  • 言葉選びや話し方、仕草等に工夫をしてもっと作品に入り込みやすく
  • 音や機材のセッティングの問題多々

…等があり、インスタレーションとして空間をより活かすという点に集中しました。

── 初回から様々な衝撃を受け、山本さんと作品にとても興味がわく取材でした。
 
 


2回目 1月10日(水) 「欲望」

── 今回は前回と同じスタジオで先生に再びチェックを受けている様子を取材しました。

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── 前回、先生からのアドバイスにもあった事ですが、二人の女性は下着姿に変更されました。

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── 台詞や設定にも変更がありました。

── お互いに好きなのはそのままですが、一方は恋愛…性愛を望んでいるのですが、もう一方はカニバリズムの考え方が入っており、彼女を食べてでも独占したいと思っている設定です。

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── この時点ではまだ全ての問題が解決したわけではないですが、方向性はしっかりと決まりました。

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── 山本さん本人は女の子に恋をした経験があるのか気になり質問しましたが、それはまだ無いそうです。
しかし女子校に通っていた経験はこの作品に影響があるかもしれないとお話されていました。

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3回目 1月17日(水)「臨場感」

── この日は映像放送クラス4年の最後の学内講評でした。

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── 山本さんの作品説明後に、全員スタジオに移動して鑑賞しました。

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── この段階では人物の背景は黒で撮影された映像が使われていて、その空間に女性の背中が浮かび上がり、前回を大きく上回る臨場感がありました。

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── かなり完成に近づいていたのですが、台詞と人物の仕草との一体感の希薄さ、中央に置かれた機材の存在感等についてのご指摘がありました。

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4回目 1月24日(水)「言葉」

── この日は台詞の録り直しの現場を取材しました。

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── 台詞自体も色々と推敲されていたようです。

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── 感情描写がより細かくなったと思います。

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── ますます本番が楽しみになりました。

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5回目 1月29日(火)「設置」

── 本番の前日になり、京都市美術館では忙しく準備が進められていました。

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── 山本さんの作品は暗い場所に置かれ、機材は存在感を抑えるため黒い布で覆われていました。

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── 人物をうまく空間に溶け込ませるための工夫をされました。

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── 当初不安視されていた台詞の音量も問題無く聴こえ、この作品が空間を支配していると感じました。

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── 長い時間をかけて調整されていました。
 
 


6回目 2月1日(金)「最後に」

── 山本さんは卒展期間中毎日通い、上映のセッティングをされていました。

── この作品の中で立ち止まると普段感じる事の無い不思議な気分になりました。

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── 後日、卒展が終わり卒業間近の山本さんに最後のインタビューをしました。

妹尾:無事に卒展が終わりましたね。お疲れ様でした。
これで最後の取材になりますが、まず、今回の卒展・ご自身の出展作品を振り返って思う事を教えてください。

山本:お疲れ様でした。
そうだなぁ〜年齢性別毎に与える印象への配慮が欠けてたとこが反省点かな。
例えば…いやらしい印象しか残らなかったおっさんとかいるだろうし、小学生(?)が見学に来たときなんかは隠しておいてくれって言われちゃった。
でもね、万人受けするような作品なんか作れっこないしさ、欲しかったインパクトはあったし満足できる作品が作れたと思います。

自分が撮りたいものを撮れたわけだし、多方面に迷惑かけましたが、やりたいようにやれて満足です。
この経験を糧に今後はしっかり事前準備と技術を身につけようと思います。

妹尾:かなりインパクトありましたね。完成までの過程も楽しく見せていただきました。
次に、4年間の大学生活について感想をお願いします。

山本:好き放題やりきったなって感じ。1日中ゲームしてみたり…ゲーム…してたり、新しいことにたくさん挑戦した。
反省点は部屋に引き蘢りがちだったこと。

妹尾:ゲーム好きなんですね。
卒業後の進路・就職などについて言える範囲で教えてください。

山本:写真撮るお仕事します。たぶんね、研修うまくいけば。
就活は良いポートフォリオがあると楽ってすごく痛感しました。

作品とか少なくてどう見せたらいいかわかんなかったけど、持ってる物印刷してとりあえずファイルに突っ込んだ感じだったなぁ。
たまたま撮ってた風景とかも使えたよ。

妹尾:やっぱりポートフォリオは大切なんですね。気をつけます。
卒業後の作家活動とか予定ありますか?

山本:作家活動なぁ…映像は撮らないかもしれないし、人に見せる作品作りをするかどうかは置いといて、
絵描きたいし、物語も書きたいし、写真も撮りたいし、造形にも興味あるし…

そんな大それたことは考えてないけど、作ることはやめないよ。
作るのは大好きだからね。

妹尾:僕もこれから山本さんがどんなものを作るのか興味あります。発表される機会を楽しみにしてます。
後輩達に伝えたい事って何かありますか?

山本:クラスにこだわらずにやりたい事をやったらいいと思います。言わなくてもそういう人が多そうだけどね。

妹尾:最後の質問です。この取材を受けての感想を聞かせてください。

山本:終始申し訳ない気持ちでいっぱいでした。なんで私なんだって…
でもその分後には引けない状況を作っていただけたので、ギリギリでしたが完成させることもできましたし、いっぱいご迷惑をおかけしましたが、お付き合いありがとうございました。

妹尾:こちらこそあまり良い記者とは言えませんでしたが、最後まで協力していただけて嬉しいです。
ありがとうございました。
 
 


 

取材
総合領域 1年 妹尾守晃
メディアデザイン領域 2年 西木晃生