CGアニメーションクラスの山崎竜さんに卒展広報委員の西木と妹尾が取材しました。
山崎さんは3DCGソフトを使って舞台風景とキャラクターを一から制作されています。

作品タイトル:courage to tomorrow


1回目 12月21日(金) 「誰が見ても楽しめるような作品を作りたい。」

── 第1回目の取材では作品のテーマやコンセプトについて聞いてみました。

西木:今回、卒業制作をする上でのコンセプトって何ですか?

山崎:今回は、子どもも大人も誰もが楽しめるような作品を作りたいと思いました。

西木:あ、それでSF…

山崎:っていう訳でもなくて、SFが好きなんですよ。映画を観るときもSF映画とかよく観てましたね。

_MG_5518 2

西木:作品のストーリーについて聞かせてください。

山崎:未来がテーマの作品で荒廃して砂漠化された地球でとあるハカセが植物の研究を進めているんですよ。
けど研究がなかなか上手くいかなくって諦めかけてしまう。そこでロボットとタイムマシンを開発し、時代をさかのぼって地球を救おうとする。

西木:ここでタイムマシンが出てくるんですね!

山崎:そうです。けどタイムマシンに事故が起こり、それに乗っていたロボットは未来じゃなく原始時代へとタイムスリップしてしまうんですよ。そしてその時代にいた原始人に助けてもらい現代に帰る方法を探していくんです。

西木:未来に行くはずが急展開になってきましたね。

山崎:ハカセ自身は実はロボットの目線で原始時代が見えていて、原始人と協力して未来に帰ろうと頑張るロボットに勇気をもらって自分も諦めず研究を続けようと決心するっていう流れです。

西木:タイムマシンが出てくるのに何も変わらないっていうのがなんだか新しいですね。出てくるキャラクターはハカセ、ロボット、原始人の3キャラクターなんですか?

_MG_8138

山崎:そうですね。それぞれ全く違うキャラクターが出てきます。

西木:ありがとうございました!次回は実際の製作工程について取材してみたいと思います。

 


2回目 12月25日(火) 「制作工程・キャラクター編」

── 今回は実際に3DCGアニメを作る上でキャラクターの制作工程について取材しました。

_MG_8136

西木:3DCGのキャラクターはどうやって作っているんですか?

山崎:まず始めにモデリングっていう作りたい物体の形を作成する作業をやっていきます。
その後にフォトショップでパーツごとに塗り分けた画像をその部分に貼り付けていきます。

西木:ということは今表示されている色が実際の色になるということじゃないんですね。

山崎:そうですね、この色はあくまでパーツを区別しやすいように色を変えているだけです。

_MG_8129

山崎:あと、今僕が使ってるAutodeskの3ds Maxっていう3DCGソフトには別のモデリングの方法もあって、ロボットのような幾何学的な立体物は輪郭線が線で表示されるワイヤーフレームを使っていってもいいんですけど、ハカセのような曲線が多かったり複雑な立体物にはあまり向いてないんですよね。

西木:確かに、作るの難しそうです…

山崎:難しいです。というときに粘土感覚で作っていける方法もあるんです。

山崎:テンプレート的な形はすでにソフトの中に入っているんですけど、変えたい所にカーソルを合わせて伸ばしたり増やしたりすることができるんですよ。

_MG_8133

_MG_8135

西木:すごい!ほんとに粘土をこねるように作っていけるんですね!

山崎:このソフトにはまだまだ色んな機能があるんですけど、とにかく多くて全部は使いこなせないと思いますね。

西木:これはハカセと…奥のほうにいるのは誰ですか?

山崎:奥のほうのはハカセが研究所の外で作業する時に着用するスーツです。

_MG_8131

西木:なるほど、荒廃して砂漠化した地球だとスーツを着用していないとダメなんですね。
二人とも両手を水平にしているのには何か理由があるんですか?

山崎:立体の形を作るモデリング作業が終わったら次は骨を入れていくんですよ。

西木:骨というのはあの骨ですか?

山崎:そうです。その骨とその関節入れることでキャラクターを実際に動かすことができるんです。
そうなったときに全部の骨が伸びた状態の形を作ってたほうが骨を入れやすいんですよ。

西木:なるほど、そうなるとロボットは関節が多くて色んな方向に動かせそうですね。

_MG_8136

 


3回目 1月2日(水) 「制作工程・背景編」

── 今回は3DCGアニメの舞台となる背景の制作について取材しました。

_MG_8125

西木:今作っているのは研究所ですか?

山崎:そうですね、ここでハカセが毎日植物の研究をしています。

西木:研究所というだけあって機材や物がたくさんありますね。これらも全部一から制作しているんですか?

山崎:よくテレビで放送しているアニメは一枚一枚紙に描いていて、背景もそこに映っているものだけを描いていけばいいんですけど、3DCGアニメとなるとカメラアングル次第でどこが見えてしまうか分からないんです。ある程度どこを映したいなどの想定はできるんですけど。

西木:紙に描いていくセルアニメはそこに映るものと視点を同時に進めていくけど3DCGアニメは始めに映るものを作っていくんですね。

山崎:はい。カメラアングルを後から考えることがてきるのが3DCGアニメの特徴の一つですね。

西木:研究所に色を塗る作業もキャラクターに色を塗る作業と進め方はほぼ一緒なんですか?

山崎:そうですね。立体物を各パーツごとに分けて色を塗っていきます。緑色の線がその立体物の輪郭です。

_MG_8284

山崎:そして塗り終わったらそれを実際の立体物に貼り付けていきます。

_MG_8279

西木:研究所のような要素がたくさんあるものを作るときに何か参考にしているものってありますか?

山崎:草薙っていうアニメやゲームの背景を専門に描いている会社があって、そこが出している画集を参考にしたりしています。

西木:あ!この画集書店で見たことあります!すごくリアルで絵が綺麗ですよね。

_MG_8141

山崎:こういう近未来的な背景から、学園ものやファンタジーに出てくるような変わった建築物から自然の風景までとにかく何でも描いてるんですよ。

西木:ファイナルファンタジーで出てくるような飛行船や建物のグラフィックって年々レベルが上がってますよね。

山崎:ハードが高画質になっていってるから絵のほうもクオリティが上がってきてますね。その分学生に求めるレベルも高くなっているっていう(笑)

西木:アニメにしてもゲームにしてもクリエイターの作品にかける情熱は自分も見習いたいです。

 


4回目 1月15日(火) 「アニメーション」

── 今回はメインとなるアニメーションについて取材しました。

_MG_1099

西木:キャラクターを動かすときに紙に一枚一枚描くセルアニメと3DCGアニメとでなにか違うことってありますか?

山崎:根本的なところは変わらないけど、アナログとデジタルでの違いはありますね。3DCGだとキャラを歩かせるとき、コマごとに本当に歩かせる必要がないんですよ。

西木:それってどういうことですか?

山崎:キャラクターの足、手、体の上下運動などをその場である程度作っておいて、その後に歩いた距離分キャラクターを移動させるということができるんですよ。あとは形をすでに作ってあるので、例えば膝の部分の造形がよくなかったら修正することもできます。

西木:アナログとデジタルどちらにも長所短所があるんですね。

anime

西木:この半球のドームみたいな形のはなんですか?

山崎:今作っている場所が原始時代の風景なんで空の部分になります。

_MG_3815

西木:上に小さな球体が見えるんですけどこれはなんですか?

山崎:これは光源です。自分で光源の位置を指定することができるんです。

西木:じゃあ山崎さんが設定した通りにソフトが計算して影をつけてくれるんですね!

山崎:3DCGソフトって高度な処理を行っていくので、PC自体もスペックが高くないとすごく動作が遅くなったり落ちたりするんですよね。ソフトも学生が買えるような値段じゃないんで学校でしか作業ができないっていう(笑)

_MG_3812

西木:このソフトでアニメーションが完成したらどうやって映像を流すんですか?

山崎:完成したらレンダリングっていう作業をして一枚一枚のJpeg画像として書き出します。

_MG_1111

西木:アニメーションを作ったのに静止画で書き出すんですか?

山崎:そうです。その書き出した画像をAdobeのAfter effectsっていう映像編集のソフトに流し込んで、画像を連続再生したものを保存するんです。

西木:なるほど。3DCGでアニメを作ったとしても最終的には一枚一枚描いていくセルアニメと変わらないんですね。

 


5回目 1月28日(月) 「設営作業」

── 今回は京都市美術館での搬入作業を取材しました。

── 大学で荷物を積みこんだトラックが美術館の裏にやってきました。

_MG_9516

CGアニメーション領域では、蛇腹折りにしたパネルを一人二面使って展示するそうです。

_MG_9547

_MG_9555

西木:今は何の作業をしている所ですか?

山崎:展示中は部屋を暗くするんですよ。だから上からスポットライトを照らすために電気を通す作業をしています。

_MG_9566

_MG_9598

_MG_9602

西木:プレイステーション3がある!何に使うんですか?

山崎:作品の再生に使うんです。この中にもう作品のデータが入ってるんですよ。

西木:DVDの再生にも使えるし今じゃあ立派な電化製品ですね。これも学校の備品なんですか?

山崎:そうですね。今回の展示では6台使ってます。

西木:プレステ3が6台…(笑)

_MG_9612

_MG_9621

西木:これはミキサーみたいなものですか?

山崎:そうですね。ある程度こっちで音量設定はしますけど視聴者のほうでも調整できるようになってます。

_MG_9588

_MG_9636

── 当日がどんな感じになるのかすごく楽しみです!

 


6回目 1月30日(月) 「卒業制作展当日」

── ついに当日がやってきました!展示会場がどんな雰囲気になっているか楽しみです。

── 会場は照明が消えていてスポットライトのみの明かりになっています。

_MG_5353

_MG_5361 2

西木:今回、卒展の作品を制作することで何か感じたことなどありますか?

山崎:制作スケジュールをおろそかにしてしまっていたので結果的に未完成のままの作品を卒展に出してしまったことが心残りです。まだまだ自分自身が制作者として未熟であると感じました。

西木:これから3DCGアニメを始めようとしている後輩や高校生に3DCGアニメの面白さや魅力について教えてください。

山崎:3DCGアニメを初めに触るときは、多機能なソフトの制作や絵作りの知識を身に付けるのに苦労や忍耐力を必要とします。僕自身も1から100までの機能を全て使えと言われればそれはとても難しいです。

山崎:ですが、ひとつ知識を学んで実行を重ねていくとすぐに反映されるのが3DCGの魅力だと思います。様々な表現方法を学んで、実行に移すことを重ねていき、自身が思い描く世界に少しでも近づくことができた時は、成長が実感できる所も魅力の一つです。

西木:短い間でしたがありがとうございました!山崎さんのこれからのご活躍期待してます!

 


取材
総合領域 1年 妹尾守晃
メディアデザイン領域 2年 西木晃生