洋画クラスの宮崎敦さんの制作を卒展広報委員の妹尾と西木が取材しました。

タイトル:
大繁盛!ストアブラザーズ

コンセプト:
スーパーやコンビニなどの空間を表現しています。
売り場という空間では、商品パッケージのキャラクターを中心にした全ての要素が、購入してもらう為に明るく楽しく魅力的に存在しています。そしてそれらが数多く密集している状況は、過剰で不気味で面白いと感じ、平面作品にしました。
(合評時の本人の言葉より)


1回目 12月20日(木)

── 初回の取材は宮崎さんの作業スペースでのインタビューになりました。

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── 並べられている作品を一目見た時からその独特な世界観に飲み込まれた気がしました。

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── これらの絵の中には宮崎さんが普段食品売り場で感じている世界観が表現されており、縦横無尽に走るカラフルな曲線は宮崎さんの視線だそうです。
どのように今の表現に辿り着いたのか気になり質問しました。

西木:いつ頃からこんな感じで描くようになってきたんですか?

宮崎:んー、3回生の初期までは油絵が多くて普通に風景画とか描いてたんだけどね…
中盤辺りから油の他にもアクリル絵の具やペンも使って制作するようになったよ。
だいぶ前は油性ペンと水性ペン両方使ってたけど最近は水性だけにしてる。
水いっぱい使うからそれによって水性ペンの線が滲んだり変化するのにはまってね。

妹尾:お菓子とかのキャラをモチーフに描き始めたきっかけってありますか?

宮崎:きっかけっていうと難しいんやけど…
昔からそういうキャラのドローイングは好きでよくやっててさ、そこに大学での制作方法の変化がうまく重なってきた感じやな。

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── 3年生までの授業作品等を紹介しながらお話ししてくださいました。

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── 4年生中盤での作品も近くに保管してあったので拝見しました。

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── その後しばらく和やかに談笑して取材は終了しました。

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2回目 1月8日(木)

── 今回は卒展に出品される作品の描き始めを取材することができました。

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── F150号の大きな画面は配置や空間の残し方が難しいそうです。
この日は下地を塗って乾かす所までです。

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── 卒展の後に京都のギャラリーでグループ展を予定されているということで、そのための制作も始められていました。

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── この画面にはまず、乾くと透明になるメディウム(固着材)が塗られています。
その光によってビニールの質感を表現しようという試みだそうです。

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── 宮崎さんの使う画材については前回の記事で書きましたが、この取材でも新たに発見しました。
小さく切り分けられたスポンジです。

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── 柔らかい線を描くために使われています。

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── たくさんの釘が刺さっているスポンジも近くに置いてあったので、どのように使うのか気になり尋ねました。これは画材ではなく、教室の床に落ちていた釘でみんなが怪我をしないよう、宮崎さんが拾い集め保管しているそうです。
このような気遣いにも宮崎さんの優しい性格が表れています。
 
 


3回目 1月11日(金)

── この取材では前回描き始めを見せていただいたF150号の作業の続きに立ち会いました。

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── 型紙が貼付けてあり、その中を一色で塗っていきます。

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── この範囲にキャラクターを描きます。

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── キャラクターを入れる型の形には特に理由はありませんが、宮崎さんが直感的にかっこいい・おもしろいと思う線を自由に引いているそうです。

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4回目 1月23日(水)

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── この日取材に入った時にはほとんど完成している状態でした。

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── 小さい画面の作品も置いてありましたが、これらを展示するかどうかは直前で決められるということでした。

── 宮崎さん自身は小さい方が得意だとよく話されていましたが、最近は大きな画面でしか表現できない良さも感じておられるようです。

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5回目 1月29日(火)

── 本番を翌日に控え、京都市美術館二階では洋画クラスの搬入作業が行われていました。

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── 部屋全体のバランスを熟慮して配置されました。

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6回目 2月1日(金)

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── 卒展本番では宮崎さんの絵の前で立ち止まり興味深そうに眺めるお客様の姿がありました。

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── 卒展が終わってしばらく経った頃、卒業が近い宮崎さんに電話で最後のインタビューをしました。

妹尾:お久しぶりです。卒展やグループ展、長い間お疲れ様でした。
そして卒展の奨励賞おめでとうございます。

宮崎:久しぶりやね。グループ展も来てくれてありがとう。受賞嬉しかったなぁ。

妹尾:僕も嬉しかったです。
今回の卒展・御自身の出展作品を振り返って今どんなことを思いますか?

宮崎:やっぱり京都市美術館に自分の絵が飾られるってすごいなって思った。
それまでより遥かに多くの人に見てもらえるからね。

宮崎:ギャラリーをやってる人とかも来てくださるし、そこから次のチャンスも頂けるし。
学生にとって最後の大舞台って感じだよね。

妹尾:お誘いがあるとすごく嬉しいですよね。

妹尾:作品に対する意見や感想はどんなこと言われましたか?宮崎さんの感想もお願いします。

宮崎:おもしろいし興味を惹かれるって言ってくれる人が多かった。
それに、少し話してコンセプトとかわかるともっとおもしろいって言う人もいたよ。

宮崎:ギャラリー16の方では大きいのと小さいの両方を展示したんやけど、どっちが良いと思うかって人によってバラバラだったな。
先生には小さい方が密度があって良いって言われてたけど。

妹尾:どちらにも良さがありますよね。
ギャラリーに置いてもらったからこそわかったこともありますか?

宮崎:うん、そうやね…
ギャラリーって作品を買ってもらう場所でもあるわけやし、それまで無かった刺激があったよ。

自分の絵に値段がつくのが新鮮だった。コレクターや新聞記者と話してたら作品の商品価値とか売り込み方にも意識が向くようになったし、これから社会人になったら制作だけじゃなくて自己プロデュースについてもっと真剣に考えんとなって思った。

それを考えるからこその制作方法や画材選びっていう考え方もあるんやろうしな。

妹尾:社会人になっても積極的に作家活動しようと思いますか?

宮崎:もちろん作り続けたいね。
仕事始めてしばらくは無理やろうけど、忙しい中でも技術を磨いて良いものを見て、
何年か経って落ち着いたら発表していくと思うね。

妹尾:そうですか、すごく楽しみに待ってます。
宮崎さんにとって就職は生活と制作を支えていくための手段ってことですよね?

宮崎:うん、そうやな。目的は作家として成長することやし、大学でもほとんどそのためにやってきたつもり。

妹尾:でも会社で仕事することで作品への良い影響もあるかもしれませんね。

宮崎:働いてたら新しい発見もあるかもな。どんな経験も無駄じゃないんやろうし、歳を重ねていけば制作も変化するかもしれんし。
まぁ今持ってるコンセプトを大きく変えるつもりはないんやけど。

妹尾:そうですね。僕も宮崎さんの作風好きなんで、これがどこまで行くのか気になります。
就職先はホームセンター関係でしたね。関西ですか?

宮崎:うん、でもまだ配属先は決まってないから関西か関東になるかわからん。
関西だったら友達と一緒に作業場所借りようと思ってるんやけどね。

妹尾:関西の方が親しみありますもんね。成安での4年間どうでしたか?

宮崎:学生の時間全部を有効活用できたとは思わんけどあんまり後悔はないなぁ。
やりたいことみつけてからはどんどん進めたし、充実した4年間だったと思うよ。

妹尾:後輩にアドバイスするとしたら一番は何ですか?

宮崎:早くやりたいことをみつけてほしい。行きたい方向を決めて、それを極めるために時間を多く使えたらいいと思うし。
でも焦り過ぎちゃダメだから、長い人生の中で大学生活が自分にどんな意味を持つのかも考えながら進んでほしい。
だから時間を大切にしてたくさんの事に挑戦するべきなんやろうな。

妹尾:4年生を終えようとしている宮崎さんから言われるとすごい説得力あります。時間の大切さ…
以上で質問は終わりです。取材開始の頃から今までずっと丁寧に答えていただけて嬉しいです。
宮崎さんとたくさん話せて本当に良かったし、これからもよろしくお願いします。

宮崎:こちらこそ、楽しかった。ありがとう。
また何かやる時は伝えるし、お互いの活動を良い刺激にしてがんばれるといいね。

妹尾:はい、またお話しましょう。ありがとうございました。
 
 


 
 

取材
総合領域 1年 妹尾守晃
メディアデザイン領域 2年 西木晃生