12月14日(金)から卒業制作展・進級制作展2013のポスターが掲示され、フライヤーが配布され始めました。 広報委員:新聞/Web班の橋本と和田が、メインビジュアルを制作した森岡大貴さん(グラフィックデザインクラス 4年)に、デザインコンセプトや決定までの経過を取材していますので、ポスター完成に合わせてお伝えします。 (森岡さんは広報委員の一員で、本人によるビジュアルコンセプトは「GraduActionって?」に掲載してありますので併せてお読みください。)

 

今回の広報テーマ『GraduAction』は『graduation(卒業)』と『action(行動・活動)』を合わせた造語です。 これは、広報委員全員で3回にわたってポスターコンペを行った中から生まれてきたテーマです。

テーマが決定した当初、広報委員の多くは『GraduAction』という言葉から「制作から溢れ出すような爆発力のあるアクション」を使って「学生の勢い・インパクト・芸術大学らしさ」で卒業制作展を盛り上げることをイメージしていました。それで、紙を破ったりダンボールを蹴散らしたりといった派手なアクションを取り入れたビジュアルを試作し提案していたのです。

ところが、出てきたビジュアル決定案は「椅子から立ち上がる」という、とっても日常的な「アクション」でした。想像していたよりも大人しく、一目で芸術大学の卒業制作展とわかるとは言いきれません。実はあまりにも想像していたものとかけ離れていたために、なかなか受け入れられない学生もいました。本当にこのデザインでいいのか、多くの学生のイメージを裏切ったビジュアルに決定したのは一体なぜなのか。そこで2012年11月上旬に放課後の大学の学生ホールで、制作者の森岡さんに緊急取材を行ったのです。

そこで彼から聞いたのは「成安造形大学には、アナログからデジタル、平面から立体・空間まで、さまざまな制作の形がある。僕が焦点を当てたかったのは、いかにも『芸術大学』らしい絵具や筆などの特定の道具や派手なパフォーマンスではなく、日常の生活の中でひとつひとつものを作り出していく『アクション』であり、芸大という『場』と『人』の存在なんだ。」ということでした。
また、話をしているうちに、彼自身も気づかぬうちに「卒業への寂しさ」と「それでも前へ進まなければいけない」という想いをビジュアルに表現していることもわかりました。

その想いを聞いた後、今まで「本当にこれでいいのか?」と思って見ていたポスターが全く違ったものに見えました。静かでクールに見える「椅子から立ち上がる」というビジュアルの背景には「卒業する4年生」であるからこその4年分の寂しさと決意があったのです。後輩の委員が当然のように『GraduAction』から力強さを連想したように、彼は自然に今の表現に至ったそうです。それは4年生でしか作ることの出来ないポスターでした。

広報委員も「これは自信を持ってしっかり発信していけるコンセプトである、学内外にもきちんと知ってもらいたい。」そんな想いを共有することができました。その後も何度か彼にコンセプトやイメージを取材し、並行して制作する映像「Action!」シリーズ等の派生広報の表現の確認も行なってきています。(「Action!」シリーズは「GraduAction!」からご覧いただけます。8本製作予定ですので、順次アップしていきます。)

表現を追求し、コンセプトについて議論を交わしていく中で、彼も「この制作をすることで、卒業することへの寂しさを自覚し、あらためてその先にある期待感や覚悟も感じた。」そうです。

(取材:メディアデザイン領域 グラフィックデザインコース 3年生 橋本純、
同 2年生 和田なづ菜)

graduaction_A4

完成したA4フライヤー